2021/06/20

Rhino+GrasshopperでのCPythonの実行環境(GH_CPython)

RhinocerosにおけるビジュアルコーディングツールであるGrasshopperには、python言語でのコーディングが可能なGh pythonがあらかじめ付属しています。しかし、このGh pythonは通常のPython(CPython)環境ではなく、Rhinocerosが動いているNET Framework上で動作するironPythonであるため、Rhinoceros上での描画アドインは動かせるものの、一般的にPython言語で用いられている多くの拡張モジュールをGh python上で通常実行することができません。Python環境において複雑な数値計算や最適化、応力解析などを実行できる無数の拡張モジュール(Numpy、Deep、Openseespyなど)が、一般的には利用できないのです。

一方、こうした数値計算は建築設計や構造解析において多く活用されており、これらをRhino+Grasshopperのプログラム上でもなんとか利用できる環境が構築できると便利です。

上記を可能とするために、Grasshopper上で一般的なpython言語であるCPythonを実行できるライブラリGH_CPythonの活用が考えられます。本ページではそのインストール方法を紹介してみます。なお、GH_CPythonを用いたRhino+Grasshopper上でのCPythonの実行においては、あらかじめPythonライブラリのインストールが必要となります。

なお、Pythonのインストールについては、本ブログの別ページ Kの勉強部屋: OpenSeesPyの導入① (kozoarcheng.blogspot.com) をご覧ください。


<GH_CPythonの実行環境の構築>

1.Githubまたはfood4Rhinoにて、GH_CPythonをダウンロード

GH_CPython | Food4Rhino

2.ダウンロードしたファイルのうち、GH_CPython.gha と FastColoredTextBox.dllを自身のRhino+Grasshopperインストールファイル中のLibrariesフォルダ(もしくはComponentsフォルダ)に移動。(ダウンロードファイルはプロパティにてセキュリティを解除する。)

3.Rhinocerosを管理者アカウントで実行

4.GH_CPythonをGrasshopper上で開き、「Python」→「Choose Interpreter」をクリックし、以下のように自身のPCにインストール済みのpython.exeのディレクトリを指定



基本的には、上記の操作でGrasshopper上にて、CPythonの環境構築ができると思います。

CPythonにおいては、本サイトで使用法を紹介している応力解析アドインOpenseespyなども実行できることから、上記の環境構築により、Rhino+Grasshopperで構築したプログラムフローにおける3Dcadやビジュアルコーディングと構造物の応力解析、時刻歴応答解析などの数値解析を連動させた処理が可能となり、使い方によっては解析上非常に有用なツールとなりえるかと思います。

上記で説明した内容については、作者(MahmoudAbdelRahman氏)のGithubである下記にも記載がありますので、適宜ご参照頂ければと思います。

Home · MahmoudAbdelRahman/GH_CPython Wiki · GitHub